小さい頃からセロリが嫌いだった。
あの独特の香りが苦手で食卓にのぼっても毛嫌いして食べようとはしなかった。
そのまま歳をとり自分で食事を作るようになっても買ったことはなかった。
それが食べられるようになったのはここ2~3年のこと。
ふとしたきっかけで「食べられるかもしれない」と思ってスーパーでセロリを1本買った。
もし食べられなかったらどうしよう。捨てるのはもったいけど、やっぱりダメだったら・・・と思いながら初めてセロリを料理した。
セロリが嫌いな夫にも「セロリなんだけど・・・」と言いながらおずおず二人で箸をつけてみたら思いのほか美味しくて「大丈夫なもんだねぇ、食わず嫌いしてちゃいけないね」と笑顔で話した。
今ではセロリはわが家の常備菜。嫌いだったはずのあの独特の香りも、今では無いと美味しく感じられない程に好きになり、セロリのきんぴらが食卓にのぼると夫も喜ぶようになった。
苦手な物を克服すること必ずしも幸せに繋がるわけじゃないけど、やっぱり少し視野は広がり笑顔も少し増えると思う。
嫌いだと思い込まないで「もしかしたら好きになれるかもしれない」と、きっかけを作ることが大事なんだと思う。
セロリのきんぴらを食べながら、人に対してもそうでありたいと思った。